Intro/Story

Intro

太宰治の小説。未完のまま絶筆になった『 グッド・バイ 』を原案としている。

『人間失格 』 を書き始める前の 1948 年(昭和 23 年)に構想。

太宰が描こうとしたのは逆のドン・ファン。十人ほどの女に惚れられている麗しき男が、次々と女と別れて行くのである。グッド・バイ、グッド・バイと。

Story

それは、妻の一言からはじまった。

「今日中に整理して。私、もう限界なの 」

雑誌編集者の田島周二には、その言葉に心当たりがあった。

彼にはなんと、10人もの恋人たちがいたのだ。しかし、どの恋人との関係が妻にバレたのか分からない。田島は悩んだ末、後輩の永井一雄に協力してもらい、10人すべてと別れることにした。やがて、一雄の妹・キヌ子も巻き込み、田島は恋人たちと別れ話をしていく。

だがそこには、誰も想像できなかった、ある真実が隠されていた。

ピュアすぎる男と、そんな彼に振り回される女たち。

果たして、田島は10人の恋人たちと別れることができるのか?